長引く咳の原因を特定するには?

長引く咳の問診は、咳の原因を特定するために重要な手掛かりを得るために行います。
以下は、長引く咳に関する問診の例です。気になる症状のある人は、早めの受診をお勧めしています。

問診の例

  1. 咳の持続期間
    • 咳はどのくらいの期間続いていますか?
    • 初めて咳が出たのはいつですか?
  2. 咳の性質
    • 咳は乾いた咳(痰が出ない)ですか、それとも湿った咳(痰が出る)ですか?
    • 咳の頻度はどのくらいですか?
    • 咳がひどくなる時間帯や状況(夜間、朝起きたとき、運動後など)はありますか?
  3. 咳の関連症状
    • 咳のほかに、息切れや喘鳴(ぜんめい、呼吸時の音)がありますか?
    • 咳に伴って痰が出ますか?その色や量はどうですか?
    • 喉の痛みやかすれ声、胸痛などの症状がありますか?
    • 咳が出るときに吐き気や嘔吐を伴いますか?
  4. 既往歴
    • 喫煙歴や受動喫煙の経験はありますか?
    • 喘息やアレルギー歴、アレルギー性鼻炎などの過去の疾患はありますか?
    • 呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、COPDなど)の診断を受けたことはありますか?
    • 逆流性食道炎や胃酸過多症の病歴はありますか?
  5. 家族歴
    • 家族に喘息、アレルギー疾患、肺疾患、心疾患などの病歴を持つ人はいますか?
  6. 生活環境
    • 家庭や職場での環境(ホコリ、カビ、ペット、化学物質など)に曝露されていることはありますか?
    • 最近、旅行や異常な環境に滞在したことがありますか?
  7. 薬剤歴
    • 現在服用している薬はありますか?(特に高血圧薬、ACE阻害薬など)
    • 過去に服用していた薬の中で咳を引き起こしたことがあるものはありますか?
  8. 食事や生活習慣
    • 食後や横になるときに咳が悪化することはありますか?(逆流性食道炎を示唆する)
    • 最近、食事や飲み物に変化があった場合、症状に影響がありましたか?
  9. その他の健康状態
    • 体重の減少、発熱、疲れやすさ、夜間発汗など、他の症状はありますか?
    • 喉の違和感、嗄声(させい、声がかすれる)、または食事中のむせがあるか?

問診の目的

これらの質問を通じて、長引く咳の原因を絞り込むことができます。たとえば、喘息やアレルギー性疾患が疑われる場合、咳が夜間や早朝に悪化することが多いです。また、逆流性食道炎が原因の場合、食後や横になったときに咳が悪化することがあります。喫煙歴や職業歴は、COPDや肺疾患を示唆する場合があります。

問診結果をもとに、必要な検査(胸部X線、呼吸機能検査、アレルギー検査、喉の内視鏡検査など)が行われ、咳の原因を特定し、適切な治療方針が決定されます。