冬になると咳がなかなか治りません。気候と関係しているのでしょうか?(冬の咳はなぜ止まらない?冷気と乾燥が引き起こす呼吸トラブル)

A. 寒さや乾燥は、のどや気道に強い刺激となり、咳が長引く原因となります。

冬になると、「咳が止まらない」「のどがイガイガする」といった呼吸器の不調を訴える方が多くなります。とくに12月は気温が一気に下がり、空気も乾燥するため、気道に負担がかかりやすくなります。

冷たい空気を吸い込むと、気道の筋肉が収縮して空気の通り道が狭くなり、咳や息苦しさを感じやすくなります。また、乾燥した空気は気道の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こしやすく、軽い風邪やウイルス感染でも咳が長引く原因になります。

こうした冬特有の環境は、咳喘息や気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫といった呼吸器疾患を悪化させる要因にもなります。「毎年、冬になると咳がぶり返す」「夜間や朝方に咳き込みやすい」といった方は、これらの病気が隠れていないか、一度チェックしておくことが大切です。

加湿器の利用、マスク着用、体を冷やさないことなどのセルフケアも有効ですが、長引く咳や息切れが続いている場合には、自己判断せず医療機関での診察をおすすめします。 当院では、冬に悪化しやすい咳や呼吸器疾患について、必要な検査と治療を行っております。