夜中に咳き込むのは、睡眠時無呼吸症候群のせいかもしれません
「夜中や明け方に突然咳き込んで起きてしまう」という経験がある方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑ってみる必要があります。
咳き込みというと風邪や喘息を想像されるかもしれませんが、実はSASによって気道に負担がかかり、咳が引き起こされることがあります。
SASでは、眠っている間に舌や喉の筋肉が緩み、気道がふさがれることで呼吸が止まります。
無呼吸状態が解除される瞬間、急激に空気が喉を通るため、気道に強い刺激が加わり、咳き込みが誘発されます。
また、いびきや口呼吸により喉が乾燥することで、より咳が出やすくなるのも一因です。
さらに、SASと胃食道逆流症(GERD)は密接に関係しており、逆流した胃酸が喉や気道に刺激を与え、咳き込みを引き起こすこともあります。
夜間にむせるような咳や、何度も目が覚める方は、SASと逆流症を併発している可能性も考えられます。
慢性的な夜間の咳き込みが続く場合、「風邪かな?」「気管支炎かな?」と思って放置してしまう方もいますが、睡眠中の呼吸障害が関係していることも多くあります。
咳が続く原因がはっきりしない場合は、SASの検査を受けることをおすすめします。
当院では、呼吸器内科として専門的な視点から診察を行っています。お気軽にご相談ください。