長引く咳の原因となる病気は
長引く咳(慢性咳)の原因となる病気は多岐にわたります。以下は、代表的な原因となる病気を挙げたものです。
1. アレルギー性疾患
- アレルギー性鼻炎(花粉症やハウスダストアレルギー)
- アレルゲンに対する反応として、鼻づまりや咳が引き起こされます。咳は特に夜間や早朝に悪化することがあります。
- アレルギー性咳嗽(アレルギー性咳)
- アレルギーによって引き起こされる咳が続くことがあります。
2. 喘息(ぜんそく)
- 気道が過敏になり、炎症を引き起こすことで、咳、喘鳴(ゼーゼー音)、息切れなどの症状が現れます。特に夜間や朝方に症状が悪化することが多いです。
3. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 喫煙歴がある人に多く見られる疾患で、気道が狭くなり、息切れや長引く咳、痰が出ることが特徴です。進行性の疾患で、特に喫煙者に多いです。
4. 逆流性食道炎(GERD)
- 胃酸が食道に逆流し、咳が引き起こされることがあります。特に食後や横になったときに悪化することが多いです。喉の違和感や胸やけを伴うことがあります。
5. 慢性気管支炎
- 長期にわたる気管支の炎症で、痰を伴った咳が続くことがあります。特に喫煙者に多い疾患で、COPDの一部として進行することがあります。
6. 肺炎や気管支炎(急性または慢性)
- 細菌やウイルスによる感染症が原因で、咳や痰、発熱を伴うことがあります。急性のものは数週間で治癒することが多いですが、慢性化すると長引くことがあります。
7. 結核(TB)
- 結核菌による肺の感染症で、長期間続く咳(特に血痰を伴う)、発熱、体重減少などの症状があります。結核は感染症であるため、早期発見と治療が重要です。
8. 肺がん
- 肺がんが原因で、咳や血痰、胸痛、呼吸困難などが現れることがあります。特に喫煙者に多いが、喫煙歴がなくても発症することがあります。
9. 薬剤性咳(ACE阻害薬など)
- 高血圧治療薬などに含まれるACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)が原因で、乾いた咳が続くことがあります。この場合、薬の変更で症状が改善します。
10. 喉頭炎や咽頭炎
- 喉の炎症が原因で咳が出ることがあります。風邪やインフルエンザ、または喉の感染症が原因です。
11. 間質性肺疾患
- 肺の組織が硬くなる病気(間質性肺炎など)が進行すると、長引く咳が現れることがあります。肺の呼吸機能が低下するため、咳だけでなく、息切れも伴います。
12. 心不全
- 左心不全などの心疾患が原因で、肺に水分がたまり、咳が出ることがあります。特に横になると咳がひどくなることがあります。
13. 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 副鼻腔が炎症を起こし、膿が喉に流れ込むことで、後鼻漏(こうびろう)による咳が長引くことがあります。特に朝方に悪化することが多いです。
14. 過敏性肺炎
- 有害物質(例えばカビや鳥の羽など)に対するアレルギー反応として肺に炎症が起こり、咳が続くことがあります。
15. 小児における咳の原因
- 小児では、喘息やアレルギー、風邪後の咳、または百日咳(ワクチン接種が不十分な場合)などが長引く原因になります。
まとめ
長引く咳がある場合、その原因は多岐にわたるため、自己判断せずに専門医の診断を受けることが重要です。2週間以上続く咳や、痰、血痰、発熱、体重減少などの症状が伴う場合は、特に早期に医療機関を受診し、適切な検査を受けることが勧められます。