長引く咳が気になる方へ ― 実は睡眠時無呼吸症候群が原因かも?
「風邪が治っても咳だけが続いている」「何週間も咳が止まらない」――
このような長引く咳の原因が、睡眠時無呼吸症候群(SAS)だったというケースが近年注目されています。
SASでは、睡眠中に気道が繰り返し閉塞されることで、気道への慢性的な刺激が続きます。
この刺激が原因で、就寝中や起床直後に咳が出やすくなるのです。特に仰向けで寝ると気道が狭まりやすいため、「寝ている間に咳が出る」「朝、喉がイガイガする」といった症状が見られる方は注意が必要です。
また、SASのある方は、口呼吸によって喉が乾燥し、鼻詰まりや後鼻漏(鼻水が喉に落ちる症状)が起こりやすくなります。
これも咳の引き金になります。「風邪薬を飲んでも良くならない」「レントゲンでは異常がないのに咳だけ続く」といった患者さんの中に、SASが隠れていたというケースは少なくありません。
長引く咳の原因は、必ずしも感染症や喘息だけではありません。
睡眠中の呼吸状態を一度見直してみることで、思いがけない原因が見つかることもあります。
当院では、呼吸器専門医による診療と、睡眠時無呼吸症候群の検査を行っております。咳がなかなか治らない方は、ぜひ一度ご相談ください。